失敗しない「弁護士の選び方」

(※あくまでも弁護士檜山の個人的意見です)

 

2020年10月1日現在、日本全国に弁護士は42094人登録しています。

そのうち、女性は8042人です。

 

ちなみに、弁護士は各都道府県の弁護士会に登録しなければ弁護士としての業務を行ってはならないことになっていますので、登録している弁護士の数=弁護士の数、ということになります。

 

そして、弁護士として登録されているかどうかは、各弁護士会のホームページや日本弁護士連合会のホームページで、名前や事務所名を検索すれば調べることができますので、怪しげな「弁護士風」の人に騙されないようにしましょう。

 

都道府県ごとの登録制になっているとはいえ、日本の弁護士は、日本のどこででも弁護士として仕事をすることができます(アメリカでは、州ごとに弁護士の資格が付与され、原則としてその州内でしか活動できないことになっている点で、日本の制度とは異なります)。

 

では、42094人の弁護士の中から、どうやってあなたの悩みを解決してくれる弁護士を探せばいいのでしょうか。

以下では、あなたの悩みを解決してくれる弁護士の見つけ方をお伝えします。

 

 

1.弁護士を見分ける5つのポイント

あなたにピッタリの弁護士を見つけるには、以下の5つのポイントを参考にされると良いでしょう。

 

1-1.事務所の規模

1-2.悩みの種類

1-3.弁護士の経験・経歴・性格

1-4.依頼方法(継続的な案件か、今回限りの案件か)

1-5.フィーリング

 

 

1-1.事務所の規模

日本には、4万人以上の弁護士がいますが、そのうち約6割が弁護士1人の事務所です。

次に多いのが弁護士2人の事務所で、全体の約18%です。

次に多いのが3人から5人の事務所で、約15%を占めます。

 

以降、所属弁護士数が増えていくに連れ、事務所の数は減っていきます。

所属する弁護士の数によって、法律事務所には次のような特色があります。

 

①大規模事務所

所属弁護士が最も多い事務所には、562人(2019年時点)もの弁護士が所属していますが、そのような大規模な事務所は日本全国で1つだけです。

規模の大きな事務所では、弁護士の業務内容が分化しています。取り扱い業務も専門化されており、基本的に複数人の弁護士がチームで案件処理をしているようです。

 

中には弁護士登録後何年も経っているのに、一度も裁判所に行ったことがない、という弁護士もいますが、その代わり、かなり専門的なスキルを持った弁護士が揃っています。

 

また、ネームバリューがありますので、顧問弁護士にもブランドを!とお考えの方には良い選択となるでしょう。

ただし、お察しのとおり、弁護士費用はかなり高いので、金銭的に余裕のある大企業でなければ継続的に面倒を見てもらうことは難しいかもしれません。

 

②弁護士1人の事務所

弁護士1人の事務所は全体の約6割を占めますから、もしかすると、法律問題で困っている方が最も遭遇しやすい事務所は弁護士1人の事務所かもしれません。

 

弁護士が1人の事務所は、「町医者」に擬えて「町ベン」と呼ばれるように、特に専門分野を持たずに、個人や法人からの様々な相談を受けて解決していくスタイルをとることが多いです。

弁護士費用も、元々弁護士会で決められていた報酬体系をそのまま使い続けていることが多いので、標準的な金額を提示されるはずです。

 

ただし、数が多い分、自分に合う弁護士を探すのはとても大変ですので、次項以下のポイントも参考にしてください。

 

③弁護士が複数所属する事務所

弁護士が複数所属する事務所は、近年若干増加傾向にあります。

ただし、弁護士同士がどのような関係で同じ事務所を経営しているかは、事務所によって様々です。

 

事務所の場所をシェアしているだけで、完全に独立した複数の弁護士が別々に業務に取り組んでいる事務所では、弁護士1人の事務所が複数同じ部屋に存在しているようなものなので、上述の弁護士1人の事務所の特徴がほぼ当てはまります。

 

1人の経営者弁護士が勤務弁護士を雇って給料を支払っている事務所もあります。

このような事務所では、ボス弁護士と勤務弁護士が2人体制で事件処理に当たってくれることがありますが、ボス弁護士を信頼して依頼したのに経験の浅い勤務弁護士に丸投げされてしまった、というようなことも起こり得ます。

ボス弁護士が責任を持って事件解決に臨んでくれる事務所を探すことが重要です。

 

売り上げを一旦全部まとめて事務所の収入とした上で、事務所の経費を差し引いた後に各弁護士に利益を配分する、という方式をとっている事務所もあります。

 

このタイプの事務所は、各弁護士の専門化が進んでいたり、事務所としての一体感を意識して経営されたりしている事務所も比較的多いです。

 

ただし、このような事務所は、元々個性の強い人が多い弁護士業界において、個性も自己主張も強い弁護士が複数人で共同経営にあたるわけですから、事務所存続の危機が突然やってくることも稀ではありません。

 

 

1-2.悩みの種類

病院なら、自分の症状に合わせて、内科、耳鼻科、眼科など、専門医を訪ねて行きますよね。

 

しかし、弁護士は、自分が特定分野の専門家であることを広告してはならないことになっています。

そのため、相談する側からすると、一体どの弁護士が自分の悩みを解決してくれるのか、わかりにくくなっています。

 

ただし、「重点取扱分野」を公言することは認められていますので、ある程度、専門性を伺い知ることはできるはずです。

なお、よほど特殊な事情がない限り、離婚、相続、交通事故、債権回収などは、普通の「町ベン」であれば誰でも取り扱いができます。

 

ですから、離婚専門や交通事故専門と謳っていない事務所でも相談に乗ってくれます。

事務所のホームページを持っている弁護士であれば、ホームページに書かれている情報を見てみましょう。

インターネットで、「労災 弁護士 大阪」などと、困っている内容、地域名などを、「弁護士」と共に並べて検索してみると、いくつかの事務所が出てきます。

 

ピンとくる弁護士がいれば、まずは電話かメールでコンタクトを取ってみて、自分の話をゆっくり聞いてくれそうな弁護士かどうかを確認して(事務員が対応する事務所もありますが、事務員の応対の仕方も判断の参考になります)、相談の予約を取るようにしましょう。

 

 

1-3.弁護士の経験・経歴・性格

①経験

2003年ころから司法制度改革の一環として法曹養成制度の改革が行われ、法科大学院が設置され、司法修習の制度変更とともに司法試験の試験内容や方式も大きく変わりました。

 

この制度改革は、司法試験合格者の数を増やすためのものでした。

実際、制度開始直後は、司法試験の合格枠が広がったということで、受験者数が激増しました。

 

司法試験の合格者数は、1990年ころまでは500人いくかいかないかというレベルで推移していましたが、その後1998年ころにかけて730人前後になり、2004年から2006年にかけて1500人に増え、新司法試験の合格者が出始めてからは2000人を超える合格者が出るようになりました。

 

しかし、2016年ころからは再び1500人くらいまで減少し、現在に至っています。

 

つまり、2007年ころ以降の司法試験合格者(2008年ころ以降に弁護士として登録しています)は、従来の合格基準では合格できなかった人も混在している可能性があるということです。

 

しかも、近時は、法曹資格保有者を雇用する企業が増えており、比較的若くて優秀な合格者は最初から企業内弁護士になるケースが多くなっています。

そのため、町に残った弁護士のレベルが下がってしまったといわれています。

 

弁護士を選ぶ際は、登録年を確認することも1つの目安になるでしょう。

 

②経歴

また、弁護士がどのような経歴をもっているかについても確認するとよいでしょう。

家庭裁判所の調停委員や調停官をしている弁護士であれば、離婚や相続について専門的な知見を持っていることがうかがわれます。

弁護士会の委員会活動としてどのようなことをしているか、も参考になります。

 

例えば、大阪弁護士会には、子どもの権利委員会という委員会があり、その委員会活動を熱心にしている弁護士は、子どもにまつわる案件の経験や知識が豊富であることが多いです。

 

ただし、委員会には所属しているものの、ほとんど活動していないこともありますので、経歴だけで判断することには注意が必要です。
会社の社外役員をしている弁護士であれば、企業法務に詳しいことがうかがわれます。

ホームペーシなどに記載された弁護士のプロフィールを確認してみましょう。

 

③性格

あと、弁護士を選定するにあたってとても重要なのが、弁護士の性格です。

整理整頓ができていない弁護士、電話をかけなおしてくれない弁護士、説明を面倒くさがる弁護士、いつも何かに怒っているような弁護士、不潔な弁護士、人の話を聞かない弁護士・・・。

 

このような弁護士が、あなたの悩みに寄り添って事件を解決に導いてくれることにだけは素晴らしい能力を発揮してくれる・・・なんてことはほぼありません。

 

相談者の相談内容や悩みを理解しなければ、どのように事案を解決すればいいか、わかるはずがありません。

依頼者より偉いのが弁護士、なのではなく、依頼者と共に案件を解決に向かわせるのが弁護士です。

一緒に戦ってくれるすがすがしい弁護士を探すことが何よりも大切です。

 

 

1-4.依頼方法(継続的か、単発か)

依頼する内容が明確にゴール設定できるものであれば、単発の案件として、着手金・報酬金制度で弁護士に依頼するのが良いでしょう。
他方で、継続的に相談を聞いて欲しい、目指すゴールは明確ではないけど悩みごとが進行中であるという場合は、顧問契約を締結するか、タイムチャージで依頼することも考えられます。

 

ご自身の悩みの種類によって、どのような方法が良いか、弁護士とよく相談してみましょう。

 

 

1-5.フィーリング

意外と大切なのが、フィーリングです。

弁護士に依頼すれば、打ち合わせや電話・手紙・電子メール等で何度も話をすることになります。

フィーリングの合わない弁護士に依頼してしまうと、その度に嫌な思いをすることになります。

 

ただし、フィーリングだけは依頼してみないと分かりませんよね・・・

最初は法律相談で良く様子を観察して、フィーリングが合いそうにないなと思ったら、遠慮せずに依頼を断り他の弁護士を探してみてください。

 

 

 

 

2.弁護士を探すための手段・ルート

 

どうやって弁護士を探したらいいか分からない、というご相談を頻繁に受けます。

探し方が分からないから、とりあえず見つかった弁護士に我慢して依頼し続けている、というケースもよく耳にします。

以下では、弁護士を探す手段やルートをご紹介します。

最近では、インターネットで検索してたどり着かれる方も多いですが、それ以外にもいろいろ方法がありますので、ご自身にあった方法を選択されると良いでしょう。

 

 

2-1.紹介・口コミ

紹介は、少し前までもっともベーシックな方法でした。

紹介がないと案件を受け付けない、という「一見さんお断り」の弁護士もたくさんいましたし、今でも一部の弁護士はそのようなスタイルをとっています。

 

紹介者がどのような理由でその弁護士を紹介しているのかにもよりますが、自分もその弁護士に案件を解決してもらって良かった、という理由で紹介されている場合は、あなた自身もある程度安心して紹介を受けることができます。

 

しかし、たった一人の人の評価を100%信用することにはリスクがありますし、マーケット自体がそれほど大きな業界ではありませんから、口コミを探すことも困難でしょう。

最近は、Googleの口コミを確認できる場合もありますが、飲食店などと比較すると口コミの全体数自体が少ないようです。

 

紹介を受けたら、その弁護士にいきなり依頼をするのではなく、まずは事務所のホームページなどで情報を確認した上で、「依頼するかどうかわからない」前提で1時間の法律相談を受けてみましょう。

 

 

2-2.Webサイト

最近急速に増えてきているのが、弁護士のWebサイトです。

しかし、Webサイトと一口にいっても、事務所のホームページ、ポータルサイト、弁護士会の弁護士検索など、いろいろです。

ポータルサイトは、特定の会社が、契約した複数の弁護士の情報をまとめて並べてくれているサイトです。

重点取扱分野別にまとめられていますので、簡単に探すことができるのが特徴です。

 

ただし、ポータルサイトに上がっている弁護士は、評判が良いから上がっているのではなく、ポータルサイト運営会社にお金を払っているから上がっているのです。

弁護士を探すのが面倒だなという方にはぴったりの方法ですが、ご自身の人生がかかった案件を任せることになる弁護士の選択を間違えないためには、弁護士探しの手間は少しかけた方が良いでしょう。

 

Webサイトでの弁護士探しでお勧めするのは、お悩みのキーワードでインターネット検索をし、法律事務所のホームページを探すことです。

業務内容を確認することはもちろんのこと、弁護士の顔や雰囲気を確認して、ご自身に合いそうかどうか判断してみてください。

 

また、各弁護士会(大阪なら大阪弁護士会)が作っているホームページでも、取扱い分野を入力して弁護士を探すことができます。

ここで探した弁護士についても、事務所のホームページを確認してみましょう。

 

 

2-3.各弁護士会・法テラス

各弁護士会や法テラス(国が設立した機関)は、法律相談を開催しています。

事前に電話で予約してから弁護士会に行って相談を受けるのです。

法テラスは、弁護士費用を出せない人のための制度ですので、無料で法律相談を受けることができます。

 

弁護士会や法テラスで相談を受けてくれる弁護士は、普段は自分の事務所で仕事をしている弁護士で、当番制で法律相談の時だけ弁護士会館に来て相談を受けています。

したがって、どんな弁護士に当たるかは行ってみないとわかりません。

 

また、弁護士会は、弁護士を紹介してくれます。

これも事前に電話予約が必要で、一旦弁護士会に行って受付担当の弁護士に事情を説明した上で、事務所で待機している弁護士を紹介してもらう、というシステムです。

 

ニッチな分野であれば、そのニッチな悩みに対処できる弁護士を紹介してもらえるというメリットがあります。

ただし、いずれの方法も、ご自身で弁護士を選べるわけではありませんので、それでも良いという場合にだけ利用するようにしましょう。

 

 

2-4.地方自治体等の無料・有料法律相談

市役所や区役所で開催される無料・有料の法律相談を利用する方法もあります。

 

ただし、地方自治体等の法律相談は相談時間が20分から30分だけなので、複雑な案件などは、事案の内容を説明するだけで終了してしまった、ということもあり得ます。

相談に行く前に、悩みを整理して簡潔に伝えられるように準備しておくことが大切です。

 

また、継続して相談に乗って欲しい場合でも、担当の弁護士は毎回交替(地方自治体等の法律相談も当番制)しますので、しっかり相談に乗ってもらいたい場合は、お金を払って一人の弁護士に依頼した方がいいでしょう。

弁護士の当たり外れが大きいのは、各弁護士会での法律相談と同じです。

 

 

 

 

3.まとめ

以上、見ていただいたように、あなたにとって良い弁護士を探すことははっきり言って難しいです。

 

司法試験を突破してきた弁護士ですから、能力的にそれほど劣る弁護士はいないはずなので、あとは、人間的に信用できる人かどうか、よく見極めてから慎重に依頼するようにしましょう。

 

あなたの人生を左右する重大局面です。

安易に選んだ弁護士に大金を支払うことのないようにしましょう。

あなたにぴったりの弁護士は日本のどこかにいるはずです。

 

まずはお気軽にお問い合わせください。TEL:06-6766-4360 電話受付:平日9時~18時(土日応相談)ヒヤマ・クボタ法律事務所|大阪弁護士会所属

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